萩焼 茶碗
萩焼は山口県のやきものです。茶の湯の世界では格が高く、茶人に愛されたやきものの一つです。
朝鮮の陶工を起源としており、初期の萩焼は高麗茶碗の写しや、施釉陶器を移入している傾向がありますが、それは部分的な採用に留まり独自性を持った造形表現を制作していきました。
模様などの装飾はあまりなく、透明な釉や白く濁った白釉などがほとんど。
「萩の七化け」という現象があり、ヒビのような線の貫入(かんにゅう)や、使う度に線や穴に茶や水分が器にしみ込むことにより、色味の変化を引き起こし味わいを見せます。
楽吉左衛門 黒楽茶碗(覚々斎 書付)
楽焼は楽家を本窯とし、楽家四代一入の庶子一元による玉水焼、また一入の門人であった長左衛門が金沢で開窯した大樋焼があります。
楽焼は茶人・千利休の創意のもと誕生したため、茶の湯とともに発展し、特に茶碗は利休の詫び茶の美意識が詰まった作品になっています。
黒楽は楽焼のひとつで、 黒色不透明の釉(うわぐすり)をかけて焼いたものです。
覚々斎(かくかくさい 延宝6年(1678)~享保15年(1730))は表千家6代。