ベルナール・カトラン(Bernard Cathelin)
ベルナール・カトラン(Bernard Cathelin)は1919年パリに生まれ、国立高等美術工芸高校で学びました。
「ムルロ工房の版画」のカタログにシャガール、ピカソ、ミロらと共に収録されており、ニューヨークや東京などの海外でも個展を開催しています。
主に油絵、リトグラフ、タペストリーを製作し、花瓶に活けた花の絵を得意としています。 斬新な構図と豊かな質感、そして鮮明な色彩で描き、日本の精神的風土にも根ざした情感豊かな作品を数多く発表しました。
日本の俳句に基づいて作画するという試みは、かつてのジャポニスムではなく、カトラン自身の色彩と形態による表現であり、ヨーロッパにおいても高い評価を受けています。 華麗な色彩の中に静謐な禅の思想をにじませ俳句の世界を描いた「俳諧十撰」は多くの日本人を魅了しました。
精力的に海外を訪れ、メキシコ、ロシア、日本、イタリア、スペインなどの国々からインスピレーションを受けた作品も残されています。
ブリュメンタル賞、レジオン・ドヌール勲章受章。
棟方志功
棟方志功(むなかたしこう)は20世紀の美術を代表する日本の板画家です。
川上澄生の版画「初夏の風」に影響され、版画家になることを決意し、版画を「板画」と称して、木版の特性を生かした作品作りを続けました。
特に阿弥陀如来像、蓮如上人の柵、我建超世願、必至無上道、など仏を題材にした作品が有名です。
一方では棟方の肉筆画作品は「倭画」と呼ばれ、海外でも板画と同様に評価されています。
版画
版画とは、版によって刷られた絵の総称です。
写真の技術が発明される19世紀まで挿絵や新聞広告など、印刷物として版画が活用されていました。
やがて産業革命などの機械化の発展により、版画の技術は芸術作品として方向に進んでいきました。
現在も版画は芸術家の手により一つの作品として制作されています。
版画は主に凸版(木版画など)、凹版(銅版画など)、平版(リトグラフなど)、孔版(シルクスクリーンなど)というように形式によって大きく4つに分かれます。
写真の作品は木版画で、日本では古くは浮世絵などがあり馴染みのある版画ですが、西洋でも西洋木版と呼ばれる木口木版があり、主に書籍の挿絵に制作されていました。