まずは自分で選んで使ってみましょう
ずっと大切にしたい器、お気に入りになる器を買うのであれば、自分で選ぶことが大切です。初心者の方であれば、まずは手軽な価格のもので「これいいな」と思ったものを選び、実際に使ってみます。さまざまな料理を盛り付けていくと、その器が料理にぴったりであったり、自分のイメージとは違うと感じたりします。料理との相性、食卓との相性を感じ取れるようになり、「こんな器もほしい」と思うようになります。
やきものを買うときはできれば専門店を訪れることをおすすめします。種類が豊富で店員さんにいろいろ尋ねることができ、知識がつくほど器の選ぶ目も養えます。また多様な器からお気に入りのひとつを選ぶ楽しみもひとしおです。
イメージを膨らませる
いいな!と思う器があれば、それを使う場面を思い浮かべてみてください。ランチに使うのか晩御飯に使うのか、お菓子に使うのか。またどんな料理をどのように盛り付けるのかなど、具体的にイメージしてみてください。
店内でテーブルいっぱいに器が並んでいるのと、料理を盛り付けたお皿を並べた食卓の景色ではずいぶんイメージが変わります。お店では器が美しく見えるように照明が施されています。蛍光灯の光は器に透明感を持たせますが、白熱電球は器があたたかみを持って見えています。
器は使わない時間の方が長いのですから、収納場所をイメージすることも忘れてはいけません。どこにどのように置いておきますか?
さらに食器を洗うときのことも考えておきます。食器洗浄機を使っている人は、食洗器に入れても大丈夫な素材でしょうか?
手に持って重み、大きさ、触り心地、質感を確かめましょう
器を購入する時は、実際に手に持ってみることも大切です。
(手に取るときはマナーとして、店員さんに一声かけて尋ねましょう。)
自分に合うやきものを選ぶのであれば、自分が持ってほどよいと感じる重さ、大きさ、手触りの心地よさを確かめておきましょう。
器は素材によって見た目とは違う特徴を持っています。ずっしりと重そうに見えても以外に軽かったり、その逆であったり、軽すぎて落としてしまいそうなもの、持ちにくい大きさなど…どんなに外見が好みでも、使いにくいと感じたものは選ばないようにしましょう。特に茶碗など、常に手に持つ器の場合、重いと感じるものは料理が乗る分さらに重くなります。使いにくい器はせっかく購入しても使わなくなります。
重さがほど良く、手に馴染むものがあなたにぴったりの器です。
手に持ったついでにじっくり観察
商品を手に取って使い心地をイメージしながら、器自体もよく観察してください。キズやヒビ、欠けが無いか、柄にズレが無いかなど、気になる店は店員さんに確認して、気に入った器があれば、傷のないものが在庫にあるか尋ねてみましょう。
土ものは十年後をイメージして選ぶのも楽しいです
磁器で作られた器は品質が安定しています。
ところが土で作られた陶器は時間が経過すると風合いが変化していきます。堅くやき締められた陶器は使うほどに柔和なツヤが出てきます。釉薬が施されたものは、時間の経過とともにしっとりと落ち着き柄や器に馴染んできます。その器が十年使い込まれたときの表情を想像して器選びをするのも楽しみのひとつです。
急須を選ぶなら…
急須を選ぶ場合は、「焼締め」のものがおすすめです。焼締め(やきしめ:正式には締焼き)とは、釉薬をかけずに高温で焼成した陶器です。釉薬がかけられないため、色合いはシンプルで、遠赤外線の作用でお茶の味を美味しくすると言われています。