人間国宝文化財等

人間国宝(工芸技術・金工|刀剣)

投稿日:2019年4月23日 更新日:

人間国宝(工芸技術・金工|刀剣)
 

日本刀(にほんとう)

高橋 貞次(たかはし さだつぐ)

■ 1902(明治35年)年4月14日~1968(昭和43)年8月21日

大阪の初代・月山貞一の門にはいり、貞勝(貞一の子)の指導を受けました。東京の中央刀剣会の養成工となり、1923年に愛媛県に帰り独立。備前伝の丁字刃文を得意としました。1955年に人間国宝に認定されました。

宮入 行平(みやいり ゆきひら)

■ 1913(大正2)年3月17日~1977(昭和52)年11月24日

栗原昭秀主宰の日本刀鍛錬伝習所で学び、1940年以降新作日本刀展で受賞を重ねました。戦後は作刀が禁止されましたが、1950年、特例として伊勢神宮式年遷宮に際し、神刀を製作しました。1963年人間国宝に認定されました。

月山 貞一(がっさん さだかず)

■ 1836(天保7)年~1918(大正7)年

近江国(滋賀県)出身の幕末明治期の刀工です。7歳のときに刀工・月山貞吉の養子になり養父より鍛刀を学びました。1876年の廃刀令によって多くの刀工はその職を失いましたが、貞一は作刀活動を続け1906年に帝室技芸員に任命されました。月山は綾杉肌という独特の鍛えに特徴を継承し、相州、備前など各流派の作風も熟しています。また刀身彫刻得意で、倶利迦羅、不動明王などを自身の作品に施しています。1971年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

隅谷 正峯(すみたに まさみね)

■ 1921(大正10)年1月24日~1998(平成10)年12月12日

刀匠・桜井正幸に入門し、独立後は興国日本刀鍛錬所(広島県)に移り、日本刀鍛錬所傘笠亭(さんりゅうてい)を松任市に開いて多くの作品を手掛けました。新作刀に与えられる最高賞「正宗賞」を3度受賞する実績があります。天下三名槍である「日本号」の写しは現存の写しの中で最高傑作と称されています。鎌倉時代の備前刀を得意とし、隅谷丁子(すみたに・ちょうじ)と呼ばれる独自の華麗な丁子刃文(ちょうじはもん)を完成しました。1981年に人間国宝に認定されました。

天田 昭次(あまた あきつぐ)

■ 1927(昭和2)年8月4日~2013(平成25)年6月26日

日本刀鍛錬伝習所で学び、戦後、鎌倉時代後期の相州伝を研究しました。自家製の鉄による作刀で新作名刀展正宗賞を受賞。伊勢神宮式年遷宮神宝太刀を製作するなどの実績を残しました。1997年、日本刀で人間国宝に認定されました。

大隅 俊平(おおすみ としひら)

■ 1932(昭和7)年1月23日~2009(平成21)年10月4日

群馬県太田市出身の刀匠です。1952年に宮入行平(長野県)のもとに入門し、1960年より独立しました。1967年に新作名刀展特賞を6年連続で受賞。3度「正宗賞」を受賞するなど、その技術が広く認められています。1997年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。備中青江派の直刃(すぐは-真っ直ぐな刃文)を研究し、生涯、玉鋼により直刃の刀剣を造り続けた事でも知られています。

 

刀剣研磨(とうけんけんま)

本阿彌 日洲(ほんあみ にっしゅう)

■ 1908(明治41)年2月23日~1996(平成8)年7月13日

明治・大正期の名人・平井千葉の長男として生まれ、父に刀剣の研磨と鑑定を学びました。後に本阿弥琳雅に師事し、1928年に本阿弥家の養子となり家研ぎを継承しました。1948年日本美術刀剣保存協会などの審査員として活躍し、ボストン・メトロポリタン両美術館にある刀剣の調査を行ないました。1975年に人間国宝に認定されました。

小野 光敬(おの こうけい)

■ 1913(大正2)年7月30日~1994(平成6)年6月29日

1935年に上京して本阿弥光遜に師事しました。1947年から東京国立博物館に勤務し、正倉院御物148口をはじめ、国宝や重要文化財の刀剣類研磨を数おおく手がけました。1975年に人間国宝に認定されました。

藤代 松雄(ふじしろ まつお)

■ 1914(大正3)年4月21日~2004(平成16)年6月12日

14歳から家業の刀剣研磨を修業を行い、日光二荒山(ふたらさん)神社の禰々切丸、岡山吉備津(きびつ)神社の吉備津丸などの名刀を研磨し、文化財の保存に寄与しました。1996年に人間国宝に認定されました。

永山 光幹(ながやま こうかん)

■ 1920(大正9)年3月21日~2010(平成22)年3月22日

1934年刀剣研磨、鑑定家の大家である本阿彌光遜に入門。1955年に本阿彌家免許皆伝し、その後神奈川県平塚市で研磨業を開業しました。1968年平塚に永山美術刀剣研磨研修所を設立して短期間で効率的に刀剣研磨師を育てる機関として、多数の有能な研師を輩出しました。1998年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

本阿弥 光洲(ほんあみ こうしゅう)

■ 1939(昭和14)年4月26日~

刀剣研師として国宝指定刀剣の研磨を数多く手がけ、文化財の保存にも尽力しています。東京都に生まれ、父・本阿弥日洲に師事して光意系本阿弥家18代を継ぎました。美術刀剣研磨技術保存会会長に就任した後、2008年東京都指定無形文化財(工芸技術)「日本刀研磨技術」保持者に指定され、2014年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

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