人間国宝文化財等

人間国宝(工芸技術・金工)

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人間国宝(工芸技術・金工)
 

銅鑼(どら)

魚住 為楽(うおずみ いらく)

■ 1886(明治19)年12月20日~1964(昭和39)年7月15日

石川県生まれの金工家。仏具師山口徳蔵に師事し、その後銅鐸制作の研究を始めました。法隆寺夢殿厨子修理にも参加し、1955年重要無形文化財「銅鐸」の保持者に認定されました。現代美術展最高賞、金沢市文化賞、北国文化賞、石川県産業工芸展知事賞受賞など、数々の受賞実績があります。

魚住 為楽(三代)(うおずみ いらく)

■ 1937(昭和12)年11月7日~

祖父の初代・魚住為楽に砂張(さはり-銅と錫の合金)加工技術を学び、1962年日本伝統工芸会会員となりました。1998年に「砂張千筋文様水指」で日本伝統工芸展文部大臣賞し、深い余韻を特色とする銅鑼を制作。2002年に3代・魚住為楽を襲名し、同年「銅鑼」で人間国宝に認定されました。

 

彫金(ちょうきん)

海野 清(うんの きよし)

■ 1884(明治17)年11月8日 ~1956(昭和31)年7月10日

東京に生まれ、1911年に東京美術学校金工科を卒業。父および加納夏雄に師事し、1919年母校の助教授となりました。1932年に教授となり、フランスへ留学して1934年帰国。東京芸術大学教授などを経て、1955年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

内藤 四郎(ないとう しろう)

■ 1907(明治40)年3月14日~1988(昭和63)年1月12日

清水南山、海野清らに学びました。国画会工芸部の会員、国立工芸技術講習所の助教授となりました。1963年、1970年に正倉院蔵の金工品の調査の一員となり、1978年に人間国宝に認定されました。

鹿島 一谷(かしま いっこく)

■ 1898(明治31)年5月11日~1996(平成8)年11月23日

祖父および父に、家伝の布目象眼(ぬのめぞうがん)を学び、海野(うんの)清らに師事しました。帝展初入選、日展特選を経て、1955年に日本工芸会の創立に参加し、後の1979年には彫金で人間国宝に認定されました。「露草布目象眼水指(みずさし)」などの作品があります。

金森 映井智(かなもり えいいち)

■ 1908(明治41)年2月3日~2001(平成13)年11月25日

1933年帝展に初入選以来多数の受賞歴があります。1941年より母校・高岡工芸高校の教壇に立ち、1968年より高岡市工芸産業技術者養成スクール講師として後続の育成に務めました。高岡の銅器製作から得た伝統的金工技術を生かし、鋳銅などの素地に金・銀の線象嵌(ぞうがん)や布目象嵌を駆使した手法で、重厚な作風の作品を生み出し、1989年に人間国宝に認定されました。代表作は「鋳銅象嵌六万花器」などが有名です。

増田 三男(ますだ みつお)

■ 1909(明治42)年4月24日~2009(昭和21)年9月7日

埼玉県出身の彫金家。文展などへの出品のほか、埼玉県立浦和高等学校でも美術講師として勤務しました。1991年82歳で重要無形文化財「彫金」の保持者(人間国宝)に認定されました。

鴨下 春明(かもした しゅんめい)

■ 1915(大正4)年10月6日~2001(平成13)年4月9日

伯父(おじ)の桂光春に師事し、江戸金工の流れをくむ伝統的な彫金技法を学びました。1965年日本伝統工芸展に初入選し、1974年から伝統工芸日本金工新作展の鑑審査委員となりました。小金具とよばれる精緻かつ華麗な作品で知られています。1999年に人間国宝に認定されました。

中川 衛(なかがわ まもる)

■ 1886(昭和22)年6月5日~

大学ではデザインを学び、27歳の時に加賀象嵌の魅力に触れ、それまで全く経験のなかった金工の道へと進みました。2004年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。出身校金沢美術工芸大学工芸科教授として、後進の指導にも力を注いでいます。

桂 盛仁(かつら もりひと)

■ 1944(昭和19)年11月22日~

東京都出身の彫金家。父・桂盛行に師事し、1971年に日本伝統工芸展で初入選、1975年に日本工芸会正会員となりました。装身具として使用される精巧な小金具の制作を得意としています。「さくらんぼ金具」や香爐「森閑」でも伝統工芸展にて受賞歴があります。2008年に人間国宝に認定されました。

山本 晃(やまもと あきら)

■ 1944(昭和19)年5月27日~

山口県出身。音響メーカーでデザイナーとして活躍した後、さらに東京の専門学校でデザインを学びました。山口県光市に工房を持ち、「切嵌象嵌(きりばめぞうがん)」と「接合せ(はぎあわせ)」の技法で知られています。1985年に日本伝統工芸展で初入選して以後17年連続入選の実績を積み重ね、2014年に人間国宝に認定されました。

 

蝋型鋳造(ろうがたちちゅうぞう)

佐々木 象堂(ささき しょうどう)

■ 1882(明治15)年3月4日~1961(昭和36)年1月26日

初代宮田藍堂に蝋型鋳造を学び、工芸済々会に入会しました。帝展で「鋳銀孔雀香炉」「金銅鳳凰置物」が特選となりました。。日本伝統工芸展に出品し、1960年に人間国宝に認定されました。

 

茶の湯釜(ちゃのゆがま)

長野 垤志(ながの てつし)

■ 1900(明治33)年10月28日~

山本安曇、香取秀真に師事した後、名古屋の釜師伊藤一正を知り、茶の湯釜を研究して、古作釜の技法や様式を現在の様式に取り入れました。1963年に人間国宝に認定されました。著作に「あしやの釜」「天命の釜」、作品に「矢筈(やはず)釜」「松林図肩衝(かたつき)釜」などがあります。

角谷 一圭(かくたに いっけい)

■ 1904(明治37)年10月12日~1999(平成11)年1月14日

大阪市東成区に生まれ、釜師であった父巳之助から茶の湯釜の製作を学びました。後に大国藤兵衛、香取秀真に師事し、鋳金全般を学びます。1947年日展に初入選し、1958年に日本伝統工芸展で高松宮総裁賞を受賞した後も数々の受賞を重ねました。1978年に重要無形文化財「茶の湯釜」保持者となりました。

高橋 敬典(たかはし けいてん)

■ 1920(大正9)年9月22日~2009(平成21)年6月23日

山形県山形市出身。1996年に「茶の湯釜」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定さました。昭和天皇の山形県行幸で、また、皇太子明仁親王の山形県行啓で釜を献上するなどの実績があります。

 

鋳金(ちゅうきん)

高村 豊周(たかむら とよちか)

■ 1890(明治23年)年7月1日~1972(昭和47)年6月2日

高村光雲の三男、高村光太郎の弟として東京に生まれ、津田信夫に入門。1919年岡田三郎助、長原孝太郎、藤井達吉らと装飾美術家協会を設立しました。1935年、実在工藝美術会結成に参加し、日展理事、鋳金家協会会長などに従事します。1964年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

齋藤 明(さいとう あきら)

■ 1920(大正9)年3月17日~2013(平成25)年11月16日

父・鏡明に伝統的な蝋型鋳造法を学び、1950年から高村豊周に師事しました。日展や伝統工芸日本金工展などで受賞。近代感覚豊かで清新な造形を追求しつづけました。1993年に重要無形文化財保持者に認定されました。

大澤 光民(おおざわ こうみん)

■ 1941(昭和16)年9月26日~

富山県立職業補導所で伝統的な鋳金技法を学び、1969年に大沢美術鋳造所を設立。焼型鋳造(込型鋳造)を中心に制作活動をつづけ、1978年日本伝統工芸展初入選しました。2005年「鋳金」で人間国宝に認定されました。

 

肥後象嵌・透(ひごぞうがん・すき)

米光 光正(よねみつ みつまさ)

■ 1941(昭和16)年9月26日~

富山県立職業補導所で伝統的な鋳金技法を学び、1969年に大沢美術鋳造所を設立しました。焼型鋳造(込型鋳造)を中心に制作活動を行い、1978年に日本伝統工芸展で初入選しました。2005年鋳金で人間国宝に認定されました。

 

梵鐘(ぼんしょう)

香取 正彦(かとり まさひこ)

■ 1899(明治32)年1月15日~1988(昭和63)年11月19日

香取秀真の長男として生まれ、1949年から釣り鐘制作をはじめました。比叡山延暦寺、成田山新勝寺、広島平和の鐘を手がけました。1977年に人間国宝に認定されました。

 

鍛金(たんきん)

関谷 四郎(せきや しろう)

■ 1899(明治32)年1月15日~1988(昭和63)年11月19日

東京美術学校(現在の東京芸術大学)の鋳金科に入学し、津田信夫の指導を受け、古典研究を基礎として制作しました。1925年にパリ万国装飾美術工芸博覧会(「アールデコ万博」)に「苺唐草文花器」を出品し銅牌を受賞。帝国美術院展覧会の工芸部門においては1930年から3年続けて特選を受賞し帝展無鑑査となり、1977年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

奥山 峰石(おくやま ほうせき)

■ 1937(昭和12)年1月16日~

鍛造が困難な朧銀(ろうぎん)を素材とした器(うつわ)で有名な作家です。1989年「朧銀鉢」で日本伝統工芸展高松宮記念賞しました。1995年「鍛金」で人間国宝に認定されました。

田口 壽恒(たぐち としちか)

■ 1940(昭和15)年4月13日~

東京都で生まれ、江戸時代より続く鎚起の一派・長壽齋派の流れを汲む父・田口恒松に師事して、伝統的な鍛金技法を体得しました。技法の特質を活かし、金属の素材美や量感を引き立たせた作品を日本伝統工芸展等に発表し、高い評価を得ています。1995年に人間国宝に認定されました。

玉川 宣夫(たまがわ のりお)

■ 1942(昭和17)年1月5日~

新潟県出身。父・玉川覚平、関谷四郎に鍛金を学び、木目金(もくめがね)の技法を活かした独自の作風で制作しています。1969年に日本伝統工芸展に初入選し、その後もさまざまな受賞を重ねました。2010年に人間国宝に認定されました

大角 幸枝(おおすみ ゆきえ)

■ 1945(昭和20)年12月4日~

静岡県出身、東京芸大卒。鹿島一谷、関谷四郎、桂盛行らに師事しました。1986年に日本伝統工芸展奨励賞し、翌年銀打出花器「風濤」で同展日本工芸会総裁賞を受賞。1988年に文化庁芸術家在外研修員としてイギリスに派遣されました。鍛金、布目象嵌などの技法をきわめ、波・流水・雲・風などを表現を得意としています。2015年に人間国宝に認定されました。

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