印籠とは
印籠(いんろう)は、古くは室町時代(1336年~1573年)に中国の明(1368年~1644年)から伝わったと言われています。
元々は印判や印肉を入れるための容器でしたが、後に薬入れとして使われるようになります。室町時代末期には印籠を提げ物として持ち歩いていたという説があり、また、桃山時代の工芸技術の発展に伴い、江戸時代(1603年~1868年)になると印籠は装身具としての役割も果たすようになります。
印籠の構造
縦10cm前後、横は5cm前後で手のひらに収まる程度の大きさです。一番上の蓋から下は主に一段~四段ほどの小箱が重なっており、その両脇を紐で通し、下部は飾り結び、上部は緒締(おじめ)で留められています。
上部の緒締と言われる部分には翡翠や珊瑚などの貴重な素材が使われることもあります。
形状はよく見られる平たい長方形の他、角形、円筒型など様々です。素材は木製や金属製で、その上に蒔絵や堆朱(ついしゅ)、螺鈿(らでん)などの細かい細工が施されることが多いです。
印籠の変遷
印籠は根付と同様、幕末から明治時代にかけてその多くが海外に流出してしまいます。
現在でも印籠のコレクションは国内よりも海外にまとまっていると言われています。
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