骨董品の状態によって買取価格に雲泥の差が出るというのは前にお伝えした通りです。「じゃあどんな方法が正しいのか!」そう思った方、是非読んで実行してみてください。その骨董品にあった正しいお手入れ方法と保管方法をここでは少し詳しくお伝えします。
まずは掛軸。掛軸は湿気をとても嫌います。掛軸は和紙と表装裂地を糊付けして出来ているので湿気にはとても弱い骨董品なのです。保管方法は風通しが良い桐箱に入れて保管しましょう。また直接入れるのではなく防虫・抗菌の効果のあるウコン染めの裂で巻くとさらに良いです。そして掛軸を扱うときは手を完全に清潔にしてから扱うようにしてください。もし可能なら、掛軸専用の手袋があれば尚安心です。例えば手が濡れていたり脂っぽかったりするとそこから掛軸のカビやシミになってしまうことがあるのです。また、花粉や水滴にも注意してください。
次に絵画。絵画が嫌うのは湿気と紫外線。絵画にとって最適な温度と湿度は温度19~20℃、湿度50~60%と言われています。湿度大国の日本にとってはかなり大変だと思いますがこまめな換気と温度調節が必要です。また直射日光と紫外線は絵の変色・色褪せの原因。保管方法と保管場所は絵を袋か箱に入れて直射日光が届かなく、温度と湿度の変化が少ない風通しの良い場所が良いでしょう。また重ねておくのも湿度が高くなる原因になるので何枚か絵画がある場合は重ねずに縦置きで保管してください。
そして漆器と茶道具。これらも湿気と極度の乾燥、そして直射日光と紫外線を嫌います。空気中の水分を含んだ湿気を器が吸収すると、素材が腐敗したりシミやヒビ割れの原因になります。そして直射日光ですが、直射日光や紫外線を長時間浴びると器独特のツヤを消してしまうことがあるので、漆器・茶道具も絵画同様に直射日光の届かない温度と湿度の変化が激しくない場所で保管するのが良いでしょう。
湿度を嫌う骨董品。骨董品だけじゃなく人間だって湿度は大嫌いですが、骨董品の値打ちはこのやっかいな湿度とどううまく付き合っていくかにかかっているようですね。