香合(こうごう)
栄匠堂では香合(こうごう)を買取致します。
香合は漆器、陶磁器などがあり、漆器では蒔絵、堆朱、青貝など、陶磁器では織部、志野、京焼、楽焼、大樋焼などがお取引の多いお品物です。
作家の作品では、楽吉左衛門、永楽善五郎、伊東陶山などがよく知られ、栄匠堂でも人気のある作家です。
香合(こうごう)査定のポイント
香合はお品物の状態が良いものの評価が高く、作家の作品であれば、共箱のものが好ましく、書付のある箱も高い評価が付く対象になります。
和物・織部
唐物・堆朱
香合(こうごう)について
香合は香を入れる蓋ものの容器をいいます。
茶の湯では炭道具の一つとして用いられていましたが、現在は別格の存在になっています。炭手前(すみてまえ(※1))での主要な道具として用いられたり、飾られたりします。
心身から茶席での空気の清め、炭の臭気を消す作用としての役割も担っています。
風炉用、炉用、両用に分けられ、風炉用の香合は5~10月までで、漆器(塗物)や木地、竹製のものを用います。
香は香木(白壇(びゃくだん)、伽羅(きゃら)、沈香(じんこう)など)を入れます。
炉用の香合は11~4月までで、通常は陶磁器のものを用います。
香は練香(ねりこう)と呼ばれる粉末の香料を蜂蜜などで練ったものを入れます。
両用の香合は風炉の季節にも炉の季節にも用いることができ、主に貝類を加工した香合になります。
香合の種類
漆器の香合は中国製の唐物と日本製の和物があります。
唐物は彫漆香合(堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)、屈輪/具利(ぐり)、紅花緑葉、はしか彫など)、青貝(螺鈿)、存星(ぞんせい/塡漆)、蒟醤(きんま)の香合があります。
和物は縁の部分が錫製である錫縁香合が代表とされ、他に、鎌倉彫、根来(ねごろ)、時代蒔絵、茶人の好みの香合があります。
一方、陶磁器の香合も唐物と和物に分けられます。
唐物は交趾(こうち)、染付、祥瑞(しょんずい)、青磁、呉須(ごす)があり、ほかに他国のもので宋胡録(すんころく)、安南(あんなん)、和蘭陀(オランダ/紅毛)などがあります。
和物は黄瀬戸、志野、備前、織部があげられ、続いて信楽、伊賀、唐津、京焼、楽焼など、その他各地で国焼の香合が作られています。
香合は茶の湯で用いられる以前は、寺院などで使用していたとされています。
当初は金属製のものが用いられていたとされ、やがて中国の製品(唐物)が将来し彫漆などの漆器類が伝わり、それにより和物も作られるようになりました。
室町時代半ばすぎに成立した茶の湯では、茶室でも香が焚かれるようになります。
香炉と共に香合も茶席に持ち込まれ飾られるようになりますが、炭道具としての香合は安土桃山時代ころになってからとされています。
その後江戸時代にかけては陶磁器の香合が各地で作られ、唐物も様々な技法の香合がでてくるようになりました。
1855年に刊行された『型物香合相撲』と呼ばれる番付表では主に唐物香合が数百種、位付けされ、それは香合の関心を高めていくことにもなりました。
このような傾向は近代に入ってからも影響力を持ち続け、炭道具としてはまた別の位置付けにもなったと考えられます。
※1)炭手前- 茶の湯に際して、風炉や炉に炭を入れる時の作法