萩焼
萩焼を買取致します。
茶の湯において用いるやきものを萩藩の御用窯で焼いていた萩焼。現在の山口県萩市に窯があります。
萩焼は焼き締まりの少ない陶土を用いた独特の柔らかな風合いを持っています。土が粗いため浸透性、保水性、保温性が高く、土と釉薬(ゆうやく―(うわぐすり))の収縮率の違いにより表面に細かな貫入(かんにゅう―(ヒビ))が出来ます。そこから浸透する水は器の中から表面にまで至り、使い込むほどに器の色合いがだんだんと変化し、侘びた味わいを醸し出します。「萩の七化け」と呼ばれるこの変化は、萩焼の魅力のひとつとなっています。
萩焼査定のポイント
萩焼はお品物の状態が良いものを高く買い取っております。特に萩焼の茶碗は買取数も多く、査定のご依頼も多いお品物です。
また、坂高麗左衛門、三輪休雪、坂倉新兵衛などの作家の作品も人気があり、その他の作家についても、たくさんの買取実績があります。
萩焼茶碗について
萩焼は文禄・慶長の役(1590年代)に藩主・毛利輝元により朝鮮半島から渡来した陶工・李勺光・李敬兄弟が開窯したことが起源になります。 弟の李敬は後に坂高麗左衛門(さか こうらいざえもん)に任ぜられ、現在は14代になります。
茶の湯の世界にある「一楽、二萩、三唐津」という言葉があり、楽焼の次に格が高く、茶人に愛されたやきものでもあります。朝鮮の陶工を起源としていることもあり、初期の萩焼は高麗茶碗の写しが見られ、他に茶人好みもありました。
それは朝鮮半島で制作された施釉陶器を移入している傾向がありますが、それは部分的な採用に留まり独自性を持った造形表現を制作していきました。
一見、茶の湯とともに発展してきたやきもののようにも見えますが、皿、鉢、盤、壷、瓶など様々な器種も制作されており生産目的も視野に入れていたことが伺えます。
萩焼は幕末・明治期に一時衰退を迎えてしまいますが、萩焼の陶工・三輪休雪などにより新しい技法の開発が進められ復興へと向かい現在に至ります。
萩焼の特徴
萩焼は模様などの装飾はあまりなく、透明な釉や白く濁った白釉などがほとんどです。粉引手や三島手などの釉技法やすり鉢のような井戸形などの茶碗もあります。
焼成の際におこる「貫入(かんにゅう)」と呼ばれるヒビのような線があり、また釉薬が薄くかかっていることから、使う度に線や穴に茶や水分が器にしみ込みます。
この現象を「萩の七化け」といいい、器の色味の変化を引き起こし、より一層の味わいを見せる働きをしています。
また茶碗の高台は高めで、「切高台」や「割高台」という高台の1~4箇所がカットされているのも萩焼の特徴の一つです。