骨董品とは、作品が出来上がってから100年以上経過しているもので、希少価値のあるもののことを言います。「骨董品」と一言で言っても実に多くの種類があります。絵画や茶道具、掛軸、焼き物、書など、製造されて100年以上経過しているものであれば、全て「骨董品」と呼ばれます。
骨董品と似た言葉に、「古美術」というものがあります。「骨董品」の中でどんなものを「古美術」と呼ぶのか、「古美術」と「骨董品」の違いは何か、そもそも「古美術」と「骨董品」は違うのか?
結論から言いますと、「古美術」は「骨董品」のカテゴリーに含まれるので、「古美術」を「骨董品」と呼んでも間違いではありません。それもそのはず、「古美術」という呼び方が出来る前は、全て「骨董」と呼ばれていたのです。
ではいつ頃から「古美術」という言葉が生まれてきたのでしょうか。「古美術」という言葉をよく耳にするようになるのは今からおよそ70年前、第二次世界大戦後辺りからになります。第二次世界大戦後、ヨーロッパや諸外国の西洋の美術品が日本へどんどん持ち込まれるようになります。結果、国内の美術品の数が一気に増加します。それに比例し日本の美術品はもちろん、それに加え海外からの美術品の美しさに魅了される国民が増えていきました。
戦時中とは違い、少しずつではありますが国民にも「自由」が与えられてきたのもその頃。魅せられた美術品を購入する国民も少なくありませんでした。そして美術品に魅了されたのは日本国民だけではありません。当時日本に住んでいた外国の方もまた同様に、初めて目にする日本の美術品に魅せられていきます。マッカーサー夫人が骨董店を訪れた際、日本の美術品は素晴らしいと絶賛し、日本の美術品を購入されたという話は有名な話です。
時代の流れと共に、骨董の中でも美術的な鑑賞・価値に長けている物を「古美術」と呼ぶようになりました。現在は美術的に価値があり、主に古い絵画や彫刻、家具や書などの古い美術品の総称として使われています。