柿右衛門様式
栄匠堂では柿右衛門様式を買取致します。
現在の柿右衛門窯は、佐賀県西浦松郡西有田町に構えられています。1640年代、初代柿右衛門がそれまで青色による絵付けのみだった有田焼に、赤色を絵付けすることに成功します。以降300年以上を経て、柿右衛門の名は現代まで受け継がれています。
柿右衛門様式は「濁手(にごしで)」と呼ばれる白い生地に、余白を活かした花鳥などの鮮やかな絵付けが施される、発色の美しい作品です。
柿右衛門様式査定のポイント
柿右衛門様式は、お品物の状態のいいものが好ましく、箱に入っているもの、銘に「福」の字があるもの(写真参照)、また作家では酒井田柿右衛門などがあり、その場合は共箱に入っていると評価が高くなります。
柿右衛門様式は飾皿、鉢、碗、花入、壷などに人気があり、栄匠堂でも買取させて頂くことが多い名品です。
渦福(うずふく)
角福(かくふく)
柿右衛門様式について
伊万里焼は1650年代に大きく発展していきます。
輸出生産をしていた中国での国内動乱の影響で、中国陶磁の生産が著しくなっていました。その中国陶磁の輸入をしていたヨーロッパでは入手困難な状況に陥り、その打開策として日本の伊万里焼に白羽の矢が立ちました。
量産化をベースにし、中国景徳鎮の色絵磁器を母体としたこの様式は、ヨーロッパ側のニーズに合わせた細かい注文も影響しているためか、中国陶磁の作品と似通った作品を作っていきました。
柿右衛門様式と呼ばれるこの様式は、有田市の柿右衛門窯から焼成され、1660年代に成立、1680-90年代に完成期を迎えたとされています。名前から陶工酒井田柿右衛門家の専属窯のように解釈されますが、窯の名称は後世に付けられたもので、当時は共同窯、所有者も異なっていたとされています。
酒井田柿右衛門は伊万里焼の焼物師の一人として活動していました。
初代柿右衛門は赤絵の絵付技法の創始者とされ、柿右衛門様式にさらなる発展に貢献しました。
素地は乳白色(濁手)で、赤を基調とした華やかさのある色絵が特徴的です。
花や鳥の文様の鉢や皿などに温かみのある白色素地は、ヨーロッパの色絵磁器の手本になるほどの技術に成長していきました。
それは柿右衛門様式より少し前に発展し、同じ伊万里焼から国内向け生産をしていた古九谷様式のような、一点製作で寒色系を中心とした控えめな芸術性の強い作品とはまた違った路線を歩んでいったのです。
柿右衛門様式は伊万里焼、古九谷様式の技術を応用し、ヨーロッパ人が持つ中国陶磁様式の概念を基本とする特殊な日本のやきものであり、ある意味国際化したやきものといえるでしょう。
柿右衛門様式は骨董品買取店栄匠堂が査定致します。