髭皿(ひげざら)
栄匠堂では髭皿を買取致します。
髭皿(ひげざら)は金彩や盛上げが施されている装飾的なものも取り扱っています。
髭皿(ひげざら)査定のポイント
お品物の状態のいいものが好ましく、箱に入っているものも評価のポイントになります。
髭皿(ひげざら)について
髭皿(ひげざら)は17~19世紀のヨーロッパで用いられた器です。
名前から連想できるように、理容店で髭を剃る際に使用されていました。下部の半円に削られた部分に顎を当てて、皿は客が持ち理容師が髭を剃るという方法です。
しかし、それ以外にも悪い血液を採血する瀉血(しゃけつ)に使用されていたという説もあります。当時のヨーロッパの理容師は外科医や歯科医も兼ねており、瀉血の際にこの髭皿を代用していたのでしょう。
現在定着している「赤・白・青」の理容店のシンボルカラーはここに由来されます。
瀉血をする際、患者が赤い棒を持ち、腕を固定する道具が用いられていました。普段はその棒に洗った包帯を乾かしていたようで、その包帯が棒に巻き付いていたところからとされます。
青色が加わったのは18世紀のイギリスで、理容師と外科医が分かれそれぞれのギルド(組合)になった際の目印の為、または19世紀のアメリカ建国100年の星条旗の色からという説などがあります。
髭皿には、伊万里焼の色絵や染付が施された華やかな器のほかに柄のない無地のものや金属製もあります。
当時の理容外科医は決して地位の高い職業ではなく、裕福ではなかった可能性があります。その為、高級輸入品であった伊万里焼を使用していたかは定かではありませんが、おそらく無地の陶磁器や金属製を用いていた可能性も否定できません。
髭皿の特徴としては、上部に小さな丸い穴が2つ開いています。
普段は吊り下げるか壁に掛けており、壁面装飾として飾られていたとされています。
一見欠けて壊れているかのように見えるビジュアルですが、ちゃんとした用途を持っている器なのです。