根付(煙草入・煙管)
栄匠堂では根付(煙草入・煙管)を買取致します。
根付は印籠や巾着、煙草入(たばこいれ)などのいわゆる提物(さげもの)に紐を通して腰から提げるための留め具として用いられていました。
根付は牙角類(牙や角など)や竹製(竹根(ちっこん))、木彫(唐木など)の材質のものが多く、昭山、日升などの作家ものの作品もあります。
印籠や煙草入に付属した状態や煙草入に根付、煙管、煙管入という組み合わせでも取り扱いしています。
根付(煙草入・煙管)査定のポイント
栄匠堂ではお品物の状態が良い根付・煙草入・煙管を高く評価しております。
根付は無名のものは江戸時代のものに多く、評価の対象に比較的つながりやすいです。
煙草入は革製のものであれば留め具が象嵌が施されているものが好ましく、煙管は吸い口と火口の部分が金属であることが多く、銀製であると評価の対象になります。
また印籠は蒔絵で施されているものにお値段が付きやすくなります。
根付の歴史
根付の始まりは明確には不明ですが、徳川家康が印籠に根付を身につけていたという文献や、絵画に描かれているところから16世紀前後には存在していたとされます。
全国各地に人々が往来するようになった17世紀頃、武士は刀を腰に差し印籠を身につけ、庶民は銭を巾着などに入れ持ち歩くことが多くなっていきました。それらを支える留め具として根付の需要は増していき、また煙草の出現により煙草入を着用するようになると根付の役割も一層重要になっていきました。
根付の需要が安定してくると意匠を凝らした作品が多く生まれ、また絵師や仏師、金工師などが副業としていた根付が専門職として担う者が出てきました。この流行は幕末まで続きますが、開国による洋風化の浸透により着物から洋服への移行、煙草入の形状の変化や明治以降から入ってきた紙巻煙草の存在により根付の必要性がなくなっていきます。
しかし日本の文化の関心が高まっていた海外へ根付を含めたくさんの日本の美術品が流出され、それは後に愛好家を生むことになりました。
人々の井出たちの変化とともに発展した根付は、一度は衰退の危機に置かれますが、こうした求める人々がいたため細々ではありましたが根付の製作は続いていきました。
現在は実用より鑑賞としての作品が多くなりましたが、この小さな形状の中に繊細な意匠が施された演出は今でも人々の関心を集めています。
根付の素材と種類
根付は主に牙角類(げかくるい)と木材から作られ、他に陶磁器や漆芸、木の実、金属、珊瑚やガラスなど多種にわたります。形状は着物の帯にくくりつけるためのものでしたので大きすぎず、かといってずれ落ちないないために小さすぎず、また帯や着物を傷つける突起物がなく壊れやすい要素がない作りになっています。
種類では、形彫根付(かたぼり)は根付の大半を占めています。
動植物や人物などの形に彫ってあるものをいい、六面体(前後左右上下)に対応したどこから見ても「見せる」作りになっています。
他には帯に差して用いる差根付や饅頭を押しつぶしたような形状にレリーフ彫刻が施された饅頭根付、能面などの面を形にした面根付などの種類があります。
また根付は「紐通し」や「紐穴」と呼ばれる着物の帯と根付をつなぐ紐を通す穴があります。
トンネル状になっているものがほとんどですが、紐が通るようにデザインされたものもあります。