茶入
栄匠堂では茶入(茶道具)を買取致します。
無名のお品物が多い茶入ですが、瀬戸、織部、京焼、備前などのお取り引きが多く、山本陶秀、楽吉左衛門、清水六兵衛などの作家の作品も多数買い取りさせて頂いております。
茶入査定のポイント
茶入(茶道具)はお品物の状態が良いもの、できれば仕覆もあるものが評価対象となります。
作家作品のものである場合は共箱である方が好ましいです。
また無名であっても瀬戸などの焼き物は人気があり、書付のものであると高い評価が付きやすくなります。
茶入について
茶入とは濃茶を入れる陶器製の容器のことで、茶の湯の点前(てまえ)(※1)で用いられます。茶入は大壷と小壷があり、ここでは小壷、小ぶりなものを指します。
形状は様々で、肩衝(かたつき)・茄子・文琳・瓢箪・丸壷・大海(たいかい)・鶴首など多種多様です。
茶入の種類は大別して「唐物」と「和物」にわけられますが、先の形状は唐物からきています。
唐物茶入は12世紀末頃、栄西禅師(1141-1215)が中国宋より茶の種を持ち帰ってきたことから始まります。
喫茶(※2)はこのころから各寺に広がり始め、茶碗を用いるようになり、闘茶(とうちゃ)が流行するなどしました。
一方和物茶入は美濃窯の瀬戸茶入が主流であり、古瀬戸、真中古窯・金華山窯(きんかざん)・破風窯(はふ)・後窯(のちがま)と伝わり、後窯の時代から日本各地で作られるようになりました。
これを国焼と呼び、千利休が備前に注文したことがはじまりとされ、他に高取、膳所、薩摩などがあります。
初めは唐物茶入に倣って製作されていましたが、桃山時代後半には独自の形態に変化していきます。
※1)点前-茶の湯の作法
※2)喫茶(きっさ/きっちゃ)-茶を飲むこと
茶入の様々な付随物
茶入には様々な付随物があります。
まずは牙蓋(げぶた)と呼ばれる、茶入にする蓋です。
材質は象牙が主流ですが、一角や鯨牙(げいげ)などもあります。
茶人好みの形状もあり、様々な意匠が見られ茶入とともに鑑賞されます。
次に茶入を入れておく仕覆という袋があります。
茶入の他にも茶碗や薄茶器(棗)、挽家(ひきや)(※3)などにも用いられています。様々な柄の裂があり、鑑賞の対象にもなります。
そして茶入は木製の箱にしまっておきます。
箱は、名品の茶入ともなると内箱や外箱などいくつも用いられます。箱の製作時期や仕立て先などにより全体の価値がわかり、重要な存在でもあります。
茶入は戦国時代には「一国一城」に替わるほど重要な役割をしていました。かの天下人から大名への授受などによりその者の庇護が約束されたのです。
ほかにも盆・添幅(そえふく)・添状などの付随物があり、どの茶入にも付随しているものではありませんが、それらがあることにより茶入の価値や歴史を知る手がかりになるのです。
※3)挽家(ひきや)
茶器を保存するための容器の総称。主に仕覆に入れた茶入を保存するもの(材質:鉄刀木・欅・花櫚・桑・黒柿など)
木材を轆轤で挽いてつくったところからの名称
形状は茶入にあわせて一定のルールがある