版画・木版画
栄匠堂では版画を買取しております。
版画とは、版によって刷られた絵の総称です。
写真の技術が発明される19世紀まで挿絵や新聞広告など、印刷物として版画が活用されていました。やがて産業革命などの機械化の発展により、版画の技術は芸術作品として方向に進んでいきました。現在も版画は芸術家の手により一つの作品として制作されています。
版画の買取ポイント
版画は印刷・複製でなく実際に手で刷られた作品に高価な価格が付き、お品物の状態が良好に保たれている作品ほど、より高い価格でお買取りが可能です。複製や印刷、工芸品や屏風などに版画が施されたお品物もお買い取りしております。
版画の作品は有名作家のものを多く取り扱っておりますが、無名作家の作品であれば、複数点をまとめて査定させて頂きますと、価格が付く場合があります。
版画など、絵画全般には額縁に価格が付くものもあり、その版画のために仕立てられた額や彫刻で装飾された木製の額、また金彩色などが施してある額とセットになっている絵画にも評価が付きます。
版画の鑑定証や証明書、共シール(本人の署名がある紙)などの付属品が同封されている作品は付加価値となりますので、捨てずにその作品と一緒にお持ち込みください。版画をはじめ、絵画は畳箱(たとうばこ)と呼ばれる固い紙箱に入っていることもあり、絵画や額縁の保護にもなりますので箱に入れたままお持込み下さい。
版画の種類
版画は主に凸版、凹版、平版、孔版というように形式によって大きく4つに分かれます。
凸版(とっぱん)
凸版で代表的なものは木版画です。
木の板に刷りたい部分だけを残し、その残した部分(でっぱった部分)に紙をのせ、バレンでこすって写しとります。(西洋ではプレスします)
木版画には、木口木版と板目木版があります。
木口木版は木を輪切りにした部分を使用します。18世紀のヨーロッパで制作されるようになり、西洋木版ともいいます。主に書籍の挿絵に制作されました。表面が硬質なため制作には困難な部分もありますが、細密な表現が可能です。
一方、板目木版は木を縦に切った面を使用します。木口に比べ軟質で、日本の版画では浮世絵が代表的です。
凹版(おうはん)
凹版で代表的なものは銅版画です。
凸版とは逆に刷りたい部分を銅板などの金属の板に刻み溝を作っていき、そこにインク詰めて刷るという方法です。細かい線を表現することができるという特徴があります。またエッチングのように刷りたい部分を酸で腐蝕させて刷る方法(腐蝕法)もあり、メゾチントやドライポイントなど、技法により表現方法が幾つかあるのも銅版画の特色です。
銅版画の起源は明確には不明ですが、西欧で普及、主に書籍の挿絵として制作され、写真技術が発明されるまではそれにかわる手段の一つでした。やがて芸術表現としての道を歩みだし、多色刷りの銅版画が発展、版画作品として制作されるようになります。
平版(へいはん)
平版で代表的なものは石版画です。
リトグラフともいい、石灰岩や金属板の平らな面に油性の画材で描き、版に水を引き、油分と水分の反発を利用して刷ります。18世紀にヨーロッパで考案され、改良を重ねながら、多色刷りも制作されるようになります。
石版画の出現で銅版画で制作していた挿絵や複製版画なども石版画で制作されるようになり、新聞、雑誌、ポスターなど印刷技術の発展に繋がっていきました。銅版画より線が柔らかく、描写をよく表現できるところが特徴的です。
孔版(こうはん)
孔版で代表的なものは合羽版(かっぱばん/ステンシル)です。
シルクスクリーンはこの孔版を指します。穴の開いた(孔)版上にインクが通り刷りとる技法です。合羽版は色を付けたい部分を切り抜き、その開いた部分(孔)から絵具を刷毛などで紙に刷ります。
日本では染色の分野(型染)でこのような技法が用いられていました。芸術作品としての歴史は浅く、20世紀になってからです。しかし、用いる素材は平面、立体面問わず可能なため、工芸作品にも適応できる技法です。マットな質感のあるはっきりした色合いが出せるところが特徴的です。
版画
-
リトグラフ
平らな石の上、金属板等に描画して印刷する版画です。版面を彫らず、平らな版面の上に描き印刷するため平版と呼ばれています。 -
木版画
木版画(もくはんが)は木製の原版によって制作される凸版画。彫刻刀などで版面に作り出した凸部にインクをのせ、バレンなどで圧力をかけて紙にインクを転写します。 -
エッチング
凹版画において金属版を腐蝕させて製版する間接凹版技法(蝕刻法)のひとつ。 -
シルクスクリーン
孔版印刷の一種で網の目状(メッシュ)のスクリーン版に孔をあけ、インクを通過させて印刷する技法です。
» その他、絵画の買取はこちら