陶磁器

陶器と磁器の違い

投稿日:2017年11月16日 更新日:

陶器(とうき)と磁器(じき)

陶磁器は「陶器」と「磁器」を合わせた言い方で、他に「やきもの」と呼ぶこともあります。ここでは陶器と磁器の違いを簡単にご説明します。

陶器と磁器の違い

原料と温度

陶器と磁器は、どちらも粘土を材料にして作られていますが、陶器では「土」、磁器では「石」、と含まれる原料が異なります。このことから、陶器を「土もの」、磁器を「石もの」と呼んで区別されます。

どちらも基本的な原材料は「粘土質(土由来)+長石(ちょうせき)+珪石(けいせき)」の3つから成り立っており、その成分の割合の違いで仕上がりが異なっています。

長石と珪石はガラスに変わる性質を持ち、約1200度では長石の働きで珪石が溶け、どちらもガラス質となります。粘土の素地を埋め、硬度が増すことにより水漏れを防ぐことができます。

陶器と磁器では焼くための温度も異なり、陶器では約1100~1200度、磁器は約1300度です。

  陶器 磁器
割合 粘土質(土由来)50%+長石20%+珪石30 粘土質(石由来)30%+長石30%+珪石40
焼く温度 約1100~1200度 約1300度
仕上がり

完成した陶器と磁器を見るだけでも大まかな違いが分かります。

  陶器 磁器
打音 低音 高音
※透光性 なし あり
吸水性 あり なし
※高台 ざらついている なめらか

※透光性…光にあてた際、光を通すかどうか
※高台…茶碗などの下部にある円の部分

主な産地
陶器 磁器
瀬戸焼・唐津焼・萩焼・笠間焼・益子焼など 有田焼・伊万里焼・九谷焼など

【陶器(とうき)】

土もの(陶土と呼ばれる粘土)を素材として造られており、土器よりも硬く磁器よりもやわらかい「焼き物」「せともの」です。ひび割れが起きやすい特徴があるため、ガラスの材料である珪石(けいせき)や長石(ちょうせき)を混ぜます。

陶器を焼く温度:800~1250℃
焼き方:酸化焼成 または 還元焼成
色:白~黒の無彩色、様々な有彩色
音:「ゴン」という鈍い低音
透過性:無
吸水性:高

【磁器(じき)】

石もの(石英や長石などの陶石)を粉砕して粉にし、粘土と混ぜて造られ、高温で焼成されて吸水性がなく叩いた時に金属音を発する特徴があります。有名な有田焼、リヤドロの人形は磁器で出来ています。

陶器を焼く温度:1200~1400℃
焼き方:還元焼成
色:白(例外有り)
音:「キン」「カン」という金属のような高温
透過性:有
吸水性:低

陶磁器の焼き方・酸化焼成と、還元焼成

「酸化焼成」:窯内に酸素を十分に取り込んで徐々に温度を上げ青白い炎で焼く方法。完全燃焼するだけの十分な酸素がある状態で焼かれます。
「還元焼成」:窯内の空気の流れを遮断して酸素が足りない状態(不完全燃焼)で焼きます。赤黒い炎で、排ガスとして一酸化炭素を発生することもあり、燃料の種類や供給のタイミングなど、経験と高度な技術が必要です。

炻器について

備前焼や信楽焼、常滑焼は炻器(せっき)と呼ばれ、陶器と磁器の中間に位置付けされます。
約1200度の高温で焼かれ、硬く焼締まるので通常釉薬を使用しません。
吸水性がなく、表面は茶色っぽく、叩くと濁った音がします。

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